非該当から異議申立をして14級が認定された事案

 

概要

 

被害者の属性 20代 男性 会社員
事故の分類 自動車で直進中,路外から飛び出してきた自動車と側面衝突
負傷部位 首,腰
傷病名 頚椎捻挫,腰椎捻挫
後遺障害等級 非該当→14級9号
賠償金額 350万円

依頼のきっかけ

 事故後2か月の段階で,相手方の保険会社から物損の示談案を提示されましたが,過失割合に争いがあったため,妥当な金額であるのか分からず,また保険会社とのやり取りで,保険会社から早期の治療費の打ち切りを考えているような発言があったため,十分な治療を受けることができるのか不安に思ったことから,ラグーンに来所されました。

後遺障害等級認定までのサポート

 受任後,加害者の代理人に対して今後も依頼者は十分な治療を受けたいと意向であることを伝え,治療期間の見通しについて協議しました。

 加害者側としては,他覚的な所見がないこと,他に怪我をしていた同乗者はすでに完治していること等を理由として,早期の治療打ち切りを検討している様子でした。

 実際に,加害者側は事故後4カ月程度の段階で,症状固定であるから治療費は払わないという主張をしてきました。

 そこで,ラグーンでは,すぐに医師面談を実施しました。主治医が症状固定についてどのような考えを持っているのか,治療による効果は見込まれないのか,確認をすることが目的でした。

 医師面談を実施したところ,主治医の意見は,「現在も治療中であり改善の効果は見込まれる。症状固定に至っていない」というものでした。そのため,主治医に対して,意見書の作成を打診し,同趣旨の書面を作成していただきました。

 その後,事故から1年経過した段階で,依頼者や主治医とも協議をし,症状固定の時期を迎えました。後遺障害診断書には,神経学的検査の所見や自覚症状を詳細に記載していただきました。

 ラグーンで被害者請求をしたのですが,自賠責保険会社の判断は「非該当」という結果でした。

 依頼者としては非該当の結果に納得することができず,異議申立をすることになりました。本件では,客観的なところとして,症状固定後も自費で通院を継続しているという事情がありましたので,その点を重点的に主張し,その他にも医証等を添付して,異議申立の手続きをしました。

 異議申立の結果,14級9号として後遺障害の認定を受けることができました。

交渉の経緯

 14級9号の等級認定を受けたことを前提に,加害者側と交渉をすることになりました。

 当方の請求に対して,加害者側は,他覚的所見が乏しいことを理由として,後遺障害慰謝料について裁判基準よりも低い示談案を提示してきました。その他の損害項目についても,当方の請求から大幅な減額を求める示談案の提示でした。

 ラグーンでは,加害者側が提示してきた示談案に合理性がないことを主張し,再度の検討を求め,交渉をしました。

 その結果,後遺障害慰謝料については裁判基準で合意することができ,他の損害項目についても当初の提案より増額した再提案がなされ,依頼者の納得も得られたため,裁判に至らずに解決することができました。

弁護士の目

 治療継続中であるにもかかわらず,加害者側から一方的に治療費の支払いを打ち切られることがあります。一度打ち切りということになると、加害者側の判断を覆すことは非常に難しくなります。

 もちろん仮払い仮処分等の手続きで争うこともできますが,この場合,損害が拡大することを防止するために,健康保険等を利用して実費で通院することが考えられます。その後,実際に治療が終了した段階で,実費で負担している分も含めて加害者側に請求をします。

 打ち切りの主張がなされた場合に何よりも重要なことは,打ち切りを主張した段階における被害者の治療状況を正確に把握することです。これは主治医に確認をしなければなりません。迅速性も求められるため,ラグーンでは書面の郵送というかたちで照会するのではなく,直接主治医と面談をして,打ち切りの妥当性,症状固定時期の見通しを確認し,協力を仰ぎます。もちろん主治医の協力があれば万全というわけではありませんが,こちらの主張の根拠を支える重要な証拠になります。裁判等を念頭においた証拠作りが必要になってきます。これらの活動は,地の利を活かすことで,最大限の効果を得ることができます。

 また,本件では当初の被害者請求で非該当の判断がなされましたが,異議申立の結果,14級の認定がなされました。ポイントは,症状固定後の通院状況であったと考えられます。通常,本当に痛くなければ,症状固定後に自腹を切ってまで通院を継続することはありません。

 本件では,異議申立時に,症状固定後の通院状況に関する資料及び本人の陳述書を添付して,当初の非該当との判断が不合理であることを詳細に主張しました。

 結果として,適正な後遺障害等級の認定を受けることができ,これにともない妥当な賠償を受けることができました。 

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