解決前にお金を払ってもらうには

 

「交通事故でケガをして、仕事ができず、収入がなくなってしまった…」
 
「病院に通いたいけど、治療費を払うことができない…」

 
 交通事故被害にあうと、入るべき収入がなくなり、払う必要のない支出が増え、経済的に苦しくなるという事態が生じてしまうことがあります。保険会社が、毎月、休業補償の支払いをして、治療費についても、通院の都度、全額払ってくれればよいのですが、必ずしもすべての保険会社がすべてのケースでそのような対応をとってくれるわけではありません。
 また、被害者が一旦立替をしていた治療費等の費用を、示談成立後等に、保険会社が被害者に支払いをするにしても、交通事故から示談成立まで、数か月から長ければ1年以上の時間を要するのが通常ですので、その間の軍資金を確保しておくことが必要なのです。
 ここでは、被害者に、経済的困窮といった二次被害、三次被害が生じることを防ぐため、解決前にお金を払ってもらうための方法をご紹介したいと思います。少しでも皆様の参考になれば幸いです。

 

加害者の自賠責保険への被害者請求

 

 自賠責保険は、被害者救済を目的とした保険です。
 加害者が加入しているため、加害者しか自賠責保険への請求をすることができないと思われる方もいらっしゃいますが、被害者からも損害賠償額の請求が可能です。これを被害者請求といいます。
 具体的には、被害者請求用の書式を自賠責保険会社から取得し、必要事項を記入して、必要書類を添付し、自賠責保険会社(任意保険会社ではありませんのでご注意ください。)へ提出することになります。
 被害者請求により支払いを受けることができる損害項目は、治療費、通院費、休業損害、慰謝料など多岐にわたります。限度額が定まっているものの、直接、損害賠償額を受け取ることができますので、有効に活用すれば経済的な負担を軽くすることができます。

 

加害者の自賠責保険への仮渡金の請求

 

 自賠責保険の制度で、上述した被害者請求よりも、より迅速にお金を支払ってもらう制度として仮渡金の請求というものがあります。さしあたって緊急に必要な費用をまかなうために、請求してから1週間~10日程度という短期間のうちに、傷害の程度に応じて5万円~40万円(死亡の場合は290万円)のお金が支払われるという制度です。
 請求の方法は、基本的には被害者請求と同様で、書式を取得し、必要事項を記入して、必要書類を添付して、自賠責保険会社へ提出することになります。
 休業損害として〇〇円、慰謝料として〇〇円というように、実際に生じている損害項目に対応してお金が支払われるわけではありませんが、ある程度まとまったお金を迅速に受け取ることができるという点が本制度の最大のメリットです。


 

社会保険(健康保険、労災保険)の活用

 

(1)健康保険
  交通事故の場合でも健康保険を活用することができます。健康保険の活用も、被害者にとっては、経済的な負担を軽くするための重要な手段の一つです。
  手続としては、「第三者の行為による傷病届」等の書類を保険者に提出する必要があります。
  健康保険の活用により、①治療費を保険診療の金額に抑える、②実際に支払いをする治療費は、3割の自己負担分にとどまる、③休業をした場合には、傷病手当金として、給与の3分の2に相当する金額を受けとることができる等のメリットがあります。
  保険会社が治療費・休業損害の支払いを早期に打ち切った場合等に、有効活用することが期待される制度です。特に、解決前に当面の生活費を確保するという点では、③の傷病手当金は非常に重要です。
 
(2)労災保険
  健康保険は、労働災害(業務災害ないし通勤災害)以外の場合に利用できる制度です。労働災害の場合には、労災保険の活用を検討しなければなりません。
  労災保険を活用すれば、療養(補償)給付として、無料で治療や薬剤の支給を受けることが出来ます。
  さらに、健康保険の傷病手当金と同様の趣旨で、労災保険では、労働災害による休業期間について、平均賃金の6割に相当する休業(補償)給付を受け取ることができます。これに加え、休業特別支給金として、平均賃金の2割に相当する給付を受け取ることもできます。要するに、労災保険によって、被害者は、休業期間について、平均賃金の8割に相当する給付を受け取ることができるということになります。なお、後遺障害が残存した場合にも、別途、支給を受けることができます。
  交通事故が労働災害に該当する場合、「加害者の任意保険会社に対応してもらえるから大丈夫」ではなく、きちんと労災として手続を行っておくことが重要です。

 

仮払い仮処分の活用

 

 加害者の任意保険会社が治療費や休業損害を払わない、仮渡金の請求や被害者請求もしたけど経済的に苦しい、という場合には裁判所の手続の利用を検討しなければなりません。
 裁判所といえば訴訟をイメージされるかもしれませんが、ここでご紹介するのは、仮払い仮処分という制度です。
 通常の訴訟との違いは、①迅速な審理、②仮の処分という点です。通常の訴訟であれば、訴訟提起後、1か月以上先に期日が入り、和解をするにしても、実際に賠償金の支払いがなされるのは数か月先の話になってしまいます。他方で、仮払い仮処分であれば、申立後、数日中に審理がなされ、和解ないし決定がでますので、通常の訴訟に比べて短期間での解決が可能です。例えば、「治療費の未払い分を支払え」とか「1か月あたり金〇〇円の休業損害を支払え」といった判断がなされ、これに基づき加害者側が金銭の支払いをすることになります。
 ただし、仮払い仮処分は、あくまで困窮している被害者を救う制度ですので、仮払い仮処分の必要性や緊急性をしっかりと被害者側で主張することが必要不可欠です。
 いずれにしても、このような手続を有効活用することが交通事故を専門的に扱う弁護士の腕の見せ所ということになります。


                                               弁護士  仁 井 真 司
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